青花

 5月の声を聞いて今年最初の置き肥を与えました。私は施肥は一年で5月と6月の2回だけ。液肥も与えませんので肥料はごく少ない方でしょう。根が動き出したので水やり間隔も短めになってきました。上砂が乾いてから1日おいて与えます。年間を通して日射と水と風を考え締まった木を作るようにします。

 今年私の棚では初めて葵龍に花がつきました。咲いてみるとなかなかの円弁花。花弁に紅筋もなくすっきりとした花です。木がまだ小さいので本来の花には遠いのかもしれませんが、素性の良さははっきりとしています。このような花を見ると青花もまた良いですね。葵龍は対馬産。新子は一年で伸びきらずなかなか増えてくれません。

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葵龍

 今年の六甲は長円弁に咲きました。花弁のコンペがが少ないので本芸ではありません。木の力が弱く葉のコンペも少ないと花のコンペも出ないのだと思います。六甲は新芽が親バルブの下から出やすいので株立ちにはできません。それで、木に力をつけるには常に数本立ちで上作を続けねばならないので栽培には気を使います。兵庫県の山から出て30年ほど経っていますが、株数は非常に少ない品種です。

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六甲

朱金花

 春の植え替えも終盤。暑くなり根先が動き出してしまっているので本当はもう終わっていないといけません。まだまだ植え替えねばならない株がありますが、体力がついてきません。鉢いっぱいになった株を小分けするのに半日もかかってしまいました。丈夫なものは放っておいても増殖します。根も痛みません。

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  玉英は我が家では増えません。何回も枯れかけそうになりながら、自然に立ち直ってきたりしますが、大きくなることもなくこんな状態が20年ほど続いています。元来花付きの良い品種なので、貧弱な株にも今年のように時に花をつけるのですが、当然上作の花には遠く、まして遮光もしていないので色もよくありません。一般には丈夫な品種として流通していますが、我が棚では作の難しい品種となっています。蘭を棚入れするときにこじれたものをつかんだりするとこうゆうことが起こります。


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玉英


  この朱金花は無名ですが、遮光の処理をしなくても良く発色する優れた品種です。昨年はつぼみが来ているのを見落としてしまい今春そのまま咲かせました。色の乗り始めた咲き始めの写真ですが、この後葉上に出て立派に咲きます。昔、茨城県の愛好家から小木を譲り受けたもので、ようやく最近になって咲き始めました。葉もしっかりとして濃緑だし、遮光なしで色が出てくるので無名でも優秀な方だと思います。

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赤花

今春も日本春蘭の赤花がいくつか咲きました。毎年同じで変わり映えしませんがアップしてみます。
万寿は2鉢有りどちらも3花ずつ花をつけましたが、色は薄いままでした。

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万寿

中に一花だけ万寿らしいねっとりした熟柿色が出ているのがありましたのでおみせします。昭和の終わりごろにあった赤花ブームでは、この万寿が人気で花型と色に愛好者が魅入られたものです。万寿は普通に増えるのですが、親木になると葉先が真っ黒く痛んでくるのが特徴で、どうにか綺麗に作れないものかと思います。

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万寿

女雛は大株を小割りにしたせいで花も一つ咲いただけですが、バルブも小さいのにまずまず咲いてくれました。最近これを交配親として多くの品種が作出されていますが、どれも親に似たりよったりで食傷気味になります。

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女雛

東源は色は全然ダメですが花は多く賑やかに咲いてくれました。万寿も東源も年中外棚で作って半ば放任栽培ですが、花は毎年欠かさず咲いてくれます。

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東源


祥字

  祥字は我が家で一番数の多い蘭です。今年もたくさんの花を咲かせましたが、総じて花弁に醜い茶筋が入り早々に切り取ってしまった株が多くあります。祥字は咲き出しの時の花弁の翠緑色が見ものですが、この茶筋が邪魔をして魅力を消してしまっています。秋から冬にかけて当地のような暖かい地域では、蘭の蕾が動きます。特に温度に敏感な品種はこの影響を大きく受け、咲いてしまうものさえあります。祥字は花の中心にある兜が動き出すため外側の花弁が押し出され伸びきらない花弁の先が裂けてしまいます。時間が経つと醜い茶黒い傷跡になって傷んでしまいます。20年ほど前にはこのようなことはあまり起こらなかったのですが、温暖化の影響だと思われます。

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 祥字は花付きの良い品種です。バルブの両端に蕾が付くこともしばしば。晩秋には良いつぼみだけを残す蕾欠きが必要です。小さな蕾は兜だけが発達し花弁が貧弱で見られません。兜と鼻頭は内側で癒着してこの部分は肉厚なのですが、外三弁は肉薄で外棚で咲かせると波打ったりよじれたりして咲いてしまいます。温室の中の湿度のある穏やかな環境で咲かせないといけません。そう思いながら外棚のままで咲く花には申し訳ないと思っています。

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万字

 今年も6鉢に万字の花が咲きましたが,満足できるものはありませんでした。どの鉢も新子を出して増えてはいるのですが,株に勢いがありません。そのような鉢から咲いた花は例年より小さく咲いてしまいました。万字のつぼみは大富貴の蕾以上に大きくなければ良い花は咲かないと言われていますが,作ってみるとなかなか大富貴の蕾を超えるほどにはなりません。株よりも木を大きく六枚葉以上に作らないとつぼみも大きくなりません。どうも私の作は日本春蘭と同じように締めて栽培しているのでのびのびした中国春蘭らしさが失われてしまうのかもしれません。


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  時に、万字は勢いが出ると作上がりした新子に蕾を付けることが多く,そんなときは大富貴超えの蕾になり見ごたえのある花が咲きます。包皮は紅くすみの緑色で紅筋を通し,軸も紅茶色で派手さはありません。タク(一番上の包衣:漢字忘れました)にも緑紅彩をかけます。このタクに緑彩があると花の兜も立派になるのが中国春蘭の特徴です。
  葉も蕾も深い緑と濃い紅彩によりくすんだ印象ですが、その中から翠緑色の花が咲く対比は万字独特のものでしょう。良い花は花弁に厚みを感じ,緑色の中にみずみずしい空色を感じることができます。一般に翠緑色の特徴を表すには花弁に十分水分が行き渡り,のびのびと咲くことが必要です。万字だけでなく祥字にしても大きく伸びやかに咲いたときは良い色になります。この翠緑色こそは東洋蘭独特の色彩であり,チューリップやダリアのような鮮やかな緑色とは違ったものです。緑色を薄めたものでもなく,翡翠色に空色を重ねた生きた色のイメージなのです。この翠緑色は日本春蘭の持つ朱金色と共に東洋蘭の中で特に大切に守ってゆかねばならない色です。

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 万字の葉はくすんだ深緑色で艶がありません。暗いイメージを抱かせるもので,一年を通して他の株立ちほど目立ったものではありませんが,花があるときは精一杯艶のある翠緑色の花を咲かせて葉との対比を楽しみたいものです。
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ゴリョウ

Author:ゴリョウ
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