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豆花について

  今年も不順ですね。寒い日と暑い日が入り混じっています。こんな時は寒冷紗などの出し入れで温度差を和らげる工夫が必要です。それと5月は風が強い日があり、思わぬぐらい鉢が乾きますので小鉢植えには小まめに見てやりましょう。我が家でもようやく置き肥を与えました。10日もすれば効き始めるでしょう。6月末を目安に今年の肥培計画を立てます。 

 今春もいろいろな春蘭展をはしごしましたが、ここらで少し感想を。なかで一番目に付いたものといえば豆花でした。日本春蘭の豆花もかなりの種類が出てきています。一般に仮名などで知られているもの、無名の地元産。さらに弁の丸みの強いもの、抱えの強いものと多々ありますが、やはり個性があるものが目に付きます。

 支那春蘭で豆花といえば翠蓋でしょうか。翠蓋は荷花弁とされていますが、兜がないのでそういう分類になったのでしょう。この翠蓋。昔から言われていますが葉姿と花の調和では完成度の高い品種です。もともと支那春蘭は葉の質が緻密で紺地が深いという長所があり、翠蓋はさらに露受けを交えた柔らかい線を作ります。翠蓋はこのしなやかな線を見るためせいぜい10条までで鑑賞します。花弁は緑勝った翠緑色で純白の舌に真紅の点を控えめに配り、花が葉の中ほどまででまとまります。花も葉も小ぶりな姿から全体として愛らしい世界を創り出しますが,同時に高い品格を感じさせ,典型的というものを超えた一種の造形的世界を見せてくれます。
 さて,日本春蘭の豆花と比べるとどうでしょうか。ある会場に翠蓋と豆花が並べてありましたが,説明するまでもありません。確かに日本春蘭の中には翠蓋より丸い花もありますが、葉姿と花の調和ではとても翠蓋にはかないません。日本春蘭は本来野性的で葉質も荒く、豆花のようなかなり園芸的に形態が進化した場合でもこの特徴を引きずっています。日本春蘭は日本春蘭同士、可愛さや丸みの面白さで楽しむのが良いのでしょう。
 会場では出品されている会員さんが日本春蘭の豆花を非常に自慢されていましたが、珍しさや価格などの評価を除くと翠蓋に勝てる蘭は一つもありませんでした。

 中国人は、一華・九華と言われる春蘭を梅・荷・仙の三種に分類しました。この発想は素晴らしく、今日では東洋蘭全般に受け継がれ鑑賞の基準になっています。さらに花卉園芸でいう円弁志向と澄んだ色へのあくなき追求は、西洋的な学習を受けた者であれば当然だと思いますが、そのような交流もない時代に中国人が独自に創造し継承してきたということに驚きを覚えます。かなりの美意識,高度な感覚を持った人達が栽培し愛でていたことが想像され,成金と豪農の遊び道具であった日本春蘭の歴史とは一線を画すものであることは間違いありません。
 このような厳しい選別を超えて生き残った翠蓋ですから,簡単に比較するのは無理があるのは当然です。
 ただ、このように書いたところで、賛同してもらえる方はどの程度おられるでしょう。私を支那春蘭礼賛者ぐらいに受け止められるのが落ちでしょうか・・・。それでも,昔から愛好している者が、「見方はこうですよ。」と書き留めることで少しでも視野が深まることを期待しています。



IMG_4248_20130508204207.jpg
本文とは全く関係ない自採の大輪春蘭
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Re: No title

suzukiさん
コメントありがとうございます。古い愛好者さんなのですね。
支那春蘭をわかりやすく見せるために日本春蘭と比較してしまいました。、
日本春蘭は別に素晴らしいところが沢山あるのでそこが言葉足らずだったと思っています。
やはり、良い作品を作って見せることが一番判り易いと思うのです。その点、私のをお見せするのが恥ずかしいです。

No title

初めてコメントさせていただきます。
中国蘭ファンとして翠蓋、竜字、宋梅、蔡仙素など、緻密な美意識の中にどこかおおらかさを感じる世界は飽きることがありません。年ごとに楽しんで38年目です。近年の新種で老種に引けを取らないものは知足素梅ぐらいでしょうか、名前もいいです。
日本春蘭でも日輪、大虹、聖雪などクラシックとして大切にすべき蘭はたくさんあると思うのですが、安価になると業界が見向きもしなくなるのは投機園芸の宿命なんでしょうね。

Re: 蘭の観賞

poirotさん。
メールありがとうございます。
日本でも、昭和40年代の支那春蘭愛好者は結構それなりの見識を持った方がおられましたよ。私もいろいろ教えを受けました。私も、ゆったりと時間を使って、落ち着いて蘭を見るような作を続ければ、品格のある蘭をお見せすることができ、書いていることの理解をしていただけると思うのですが、力及ばずです。
poirotさんのような方がおられて嬉しいです。

蘭の観賞

ゴリョウさん、おはようございます。
久しぶりに共感できる記事に合いました。
花を観ての感じ方は人夫々でしょうが、伝統的な観賞法は伝えていきたいですね。
未だ写真という技術が無い時代、他の人々に伝えるために、弁、捧心、舌などの形を細かく分類したものだと思っていますが、蘭を愛でた人々が君子・士大夫といわれる知識人だったことで、より洗練されたものになったのではないでしょうか。(個人的な感想ですが・・・)、因みに翆蓋、大一品は私の愛培品です。
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東洋蘭との日々の付き合いで感じたことを書いています。

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