寒蘭の花

 しばらく更新をしていないうちに寒蘭の季節になりました。寒蘭は葉の姿そのものに品格があり春蘭ほど野性味は強くありません。東洋蘭で好まれる円弁を志向してもその花の持つイメージから調和しませんし,全く別の視点・考え方で美を求めることが必要です。
 一般に寒蘭会では色や型、バランスなど見方が決められています。特に色に目が行きますが、私は寒蘭の美を決定づけるものは「間」でしょうか。
 基本的に野の花ですので,人が手を加えて野性味を矯め、垢抜けさせて隠されたその本質を顕にさせて鑑賞するものでしょう。その矯正も行きすぎずある程度のところで止める感性が必要です。寒蘭の場合,全体の形を考える視覚バランスと触りすぎないバランス感覚が大切です。もともと野の花ですので形を整えても花弁にユレがありますし,色が鮮やかだといってもチューリップの色合いにはなりません。その品種の持ち味を如何に発揮させるのか,栽培者の感性と力量が試されるところが多く残されています。良い作品は、空間を感じさせ,時間を忘れさせます。「間」があるということです。

 室戸錦という土佐産の古い名花があります。イメージとしては,平肩に咲く花弁の形と色合いから力強いイメージがあります。花軸を真っ直ぐ立て花弁もピシリと伸ばし軸色から弁先まで濃い紅紫のベタ色を追求することがこの花の最もふさわしい仕立て方なので、一般に求められる基本路線を踏襲すれば室戸錦らしい花が鑑賞できます。その点でこの品種は扱いやすいと言えます。もっとも,この室戸にキャップをかぶせ柔らかいイメージで新しい一面を発揮させたいという古老の作品にも出会ったことがありますが・・・。

 先日ある会で古い蘭友はこのように品種と作者の技量・感性が最高に発揮された「背筋が寒くなるような花」に出会いたい。そのためにこの時期花会をハシゴするんだと話していました。

  天馬
        天馬

 昨年の黒崎氏の他界を始め、最近は古い愛蘭家が次々退かれて世代交代が起きているように感じます。いくつかの会誌をめくってみても、内容が軽くなって読むところ参考になる記事が全く無くなってしまいました。ブームが愛好家を育て趣味の内容も深まるのだなとつくづく感じます。

IMG_2258.jpg
       春光
関連記事
スポンサーサイト

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめ【寒蘭の花】

 しばらく更新をしていないうちに寒蘭の季節になりました。寒蘭は葉の姿そのものに品格があり春蘭ほど野

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ゴリョウ

Author:ゴリョウ
東洋蘭との日々の付き合いで感じたことを書いています。

メールはこちらまで

この中の画像をヤ0オクに転載することは固くお断りします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード