大雪から冬至

二四節気のうち大雪を過ぎもう冬至です。で大雪嶺の写真。正確には大雪嶺の中透け縞。柄行は白縞ですが親になると少し黄ばみます。

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 昔から柄物栽培は,葉長を詰め葉幅をひかせること,葉肉を出すこと,斑色を出すこと。この三条件を揃えることと言われてきました。
 品種に求められる最大の芸を発揮させることができれば良いわけですが,上記の三条件は柄物一般に言える基本条件でしょう。
 蘭を元気に調子よく育てることとは意識の違うもので,かつて赤花ブームの時代,初期の頃の紅明は,柄物作りの延長上に花物の色出しを加えたような,いわゆるいじめて色を出すやり方だったように記憶しています。小さな株に大輪の花を咲かせて愛好家を魅せました。その後,赤花全盛期になった頃,ようやく一般の植物と同じ,肥料や活力剤,加温もしながら立派な株に仕上げ,その上で花を咲かせる考えが打ち出され,見事な色出しに成功しました。以後その方法が定着して木を大きく作ることが主流になり,最近は柄物も同じ作り方が行われていますが,これは今の栽培家の多くが締めて作った蘭の良さを知らないのか,あるいは,赤花ブームに続く縞物のブームの中で,旧来の柄物作りではどうしても増殖が遅れるため,早く元金を取り戻すためなのかもしれません。
 私の知る柄物栽培は,一年を通して常に大きくなろうとする蘭にブレーキをかけ,葉長より葉幅と葉肉をかけるように作をすることで,それには乾湿のメリハリ,殺菌剤,活力剤,石灰水 etc と,選択と工夫を季節季節で状態を見ながら行う栽培となります。非常に経験と手間がかかり下手をすれば新木の葉先が痛んだりバック木の葉枯れが出たりします。ギリギリのところで,植物にエチレンを出させて木を締め,斑色を高める栽培法であると考えています。


 今月の月刊野生ラン1月号に稲妻の栽培法が記載されていました。完成作は特有の芸であるコンペと見たこともない立葉の葉姿,万年青のようだとの表現で数年間の栽培写真が載せられていました。芸の出た木には根も出なくなっているということで,根を短くすることを勧められていました。説明文では風を通し、肥料を多く,日作りをして大きな子を出せば芸が出ること,さらには短い根なら葉も詰まるということです。
 確かに,花物でも八重咲きや突起のある花などは,栄養状態が良い大きな木ほど見事な芸を見せます。しかし,書かれたような栽培法を行ったとしてもそれだけで写真のような稲妻ができあがるのでしょうか。

・・・できないと思います。
 
 書かれている栽培方法で木姿が締まることはあっても根が出なくなることはありませんし,コンペは出てもあれほど葉姿が変化することは無いように思います。根が短かいのが良いのなら,ハサミで切って植えれば新子はあのような姿に出るのでしょうか。

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安積猛虎(文章とは全く関係ありません)


 この稲妻は,柄物作りで出来上がった結果のようには思えないのです。私の経験では,書かれているような蘭が凝ったような姿で芋が太らず,根も出さなくなるのは,株が何らかの原因で,ある種の菌に犯された時に多く見られました。新芽の成長点が影響を受けるのか,この場合葉姿も品種の特性が消えたように剛直になります。これに犯されると次の子も,また次の子も根が出ず,芋も太りません。作用機序をあえて想像するなら,菌侵入で蘭自体のホルモンバランスが崩れてしまっているのか,あるいは新根を出せばさらにそこからさらに菌が侵入するので,新子を出すばかりなのかもしれれません。
 
 しかし,これは私の経験であって,あのような姿に作れる栽培法があるのなら素晴らしい技術です。そして、そうであれば恐らく記載されている作り方以外に書かれていない何か秘密が隠されている気がするのです。

 蘭の世界は深く知らないことがいっぱいあります。久々に刺激になった記事でした。
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