虎出し

夏作の楽しみは新芽の色と伸び上がり具合にありますが,虎出しも夏の作業の楽しみの一つです。虎物は夏の直射によって柄出しを行いますが,蘭を栽培している者にとって夏に直射を当てるなんて最初は勇気がいるものです。確かに加減を知らないで行うと,その強烈な熱線のために葉が痛んで元も子もなくなります。当地は虎出しには向かない地域だとわかっているのですが,日本春蘭の場合,柄の極地はやはり虎斑ですので数品種に限って虎出しを楽しんでいます。虎を出すには真夏までにしておくべきことがあります。

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越後富士


新芽の芽出しを遅くし,しかも柔らかく育てることです。新芽の伸びを抑えながら梅雨明けを待つ。ここまで出来ればほぼ虎出しの半分は成功です。新芽の地色は品種によって違っていて,東北の蘭友から来た鳴子温泉産の猛虎などは極黄の猛虎だけに深い緑ながらどこかに黄味が潜んでいます。越後富士は黄味のない黒緑。麒麟冠などは青みを持った灰緑色で白覆輪との調和が実に美しい。これら地合の色に日を当てていくうちに,うっすらとボヤが入り始め,同時に地合いも濃くなります。この間,途中で曇りや雨の日もあり,日射の強弱加減でボヤ柄も動き色々な表情を見せてくれます。日射が弱いと友禅絞りのような波濤柄に地合いも濃い薄いが滲んだように混じります。これがまた変化を見せて美しい。他の柄物では味わえない虎芸独特の斑柄です。日射が強いとキッパリとした猛虎班で色濃く力強い雰囲気にまとまります。輪波の花などこの斑柄が派手になるほど地合いが濃くなるという特技がありますので見事な芸を表します。

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麒麟冠
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