夏作今昔

 昭和50年頃の夏作と言えば、水を控えてからたっぷりとかけるのが一般的でした。最高でも33度前後にしか上がらない気温です。1週間に一度程度の水遣りが一般的で、かなり乾燥させてから水を与えていました。水遣りが難しくて迷ったとき、鉢の縁にあるラベルを抜いて水滴が付いているかを見て判断したものでした。鉢縁を上昇してくる水分から鉢内の様子を勉強したのです。夏は水をかけても1日で表面が乾き,水のタイミングを間違えやすいもので、暑いからといっても湿度も高く,鉢中までは簡単には乾きません。水が過ぎて蒸れてしまうよりも、乾燥気味にしながら乗り切るのが一般的でした。用土も生の赤玉を使っていたので余計に難しく根を傷めたものでした。


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         新潟県弥彦産覆輪



 近年の夏の異常な暑さを乗り越えるには,環境を涼しくする様々な対策と共に,水遣りも頻度を上げる栽培者が多くなっています。中には毎日のように水をかける方もいるようです。用土が良くなったので,水が多すぎても鉢内が蒸れることは無くなってきましたが、そのぶん蘭は徒長し,締まった姿の作品を見る機会が減ってきました。中国春蘭や寒蘭ならともかく、日本春蘭は徒長させると葉の密度など質の弱点が目に付いてしまいます。展示会でもグッと葉の締まった日本春蘭を見かけることが殆どなくなってしまっのは寂しい限りです。
 植物は,ストレスを与えるとエチレンの作用でズングリとした姿になってきます。退役した後の蘭の世話は、たっぷりと水を与え溢水ストレス、渇き気味にして乾燥ストレス。これを交互に与え続ける作などエチレンを念頭にした様々なメニューで締まった春蘭を作りたいと思っています。


     
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    兵庫県有馬産コンペ覆輪
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