柄物は難しい

 節分までは真冬,柄物鑑賞は一年の作が終了する年末からがほんとうにゆっくり鑑賞できるものです。そして上手くいかなかった反省を踏まえ寒いうちに今年1年の作を考えることも大切です。柄物は花物以上に時期・時期に細やかな作の配慮が必要で,その点で一段と高い管理技術が要求されます。特に最近の極端な気候変化は蘭の生理に厳しいので,状態をよく観察しないといけません。例えば夏の暑さは尋常ではないので水遣りが難しいのもそのひとつ。仕事が忙しいため今は仕方なく息子に管理を任せているのですが昨年はその結果思わぬことが…。守門竜の新子が馬鹿でかく締まりの無い姿になってしまいました。肥料と水が過ぎたためですが,これは息子には罪はありません。本人は大きくなって良かったと思っているほどです。
 御覧のように株のバランスが崩れ作り直しです。


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    馬鹿伸びの守門竜


 柄物は締まった姿が第一です。日本春蘭の葉質は荒いのでそれを忘れるほどかっちりと作らないといけません。風と水で乾湿を大きくしできるだけエチレンを出させて締めます。どれだけ水を我慢するのかも腕の見せ所。そこには失敗経験が生きてくるのですが,これに肥料が加わると条件が複雑になります。
 守門竜という品種は,ただでさえ大きくなってやろうとする丈夫な性質があります。それを良くわきまえ,葉幅と葉肉を出して巻き込むような姿に仕上げることを年間の目標に育てます。このところの気候変化は昔の経験を生かしにくく,新たな栽培法を見つけることを考えています。年間の暖かい期間が長く伸びているので窒素系肥料はほどほどと思っていても多すぎるぐらいです。昔使っていた苦土石灰の使い方も重要と考えていますがイメージ通りには行きません。 


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      馬鹿伸びの守門竜



 私が始めた頃の当地は蘭が盛んで中国春蘭にもケイランに使うのと同じ花崗岩(朝明砂とか天神川砂と言っていた)で作ってあり,驚くほど締まっていました。殆ど水持ち,肥料持ちが無い用土で龍字なんか20数センチに揃って花が全部葉上に上がり見事でした。もう一度あのような栽培が出来るようになるには,現役を退いてからだろうと思っています。ただし、中国春蘭は葉質が良いので程々にしないと良さがなくなりますが。
 夏は水を遣り過ぎると蒸れて根が傷むし,少な過ぎればスカスカの根になります。そこまで行かなくても根の所々が黒くなったりするのは鉢内の水環境が悪いためでしょう。水だけでなく鉢と土選びが間違っているのですが,それ以上に暑すぎて良好な環境を長く保てなくなっているのだと思います。
 息子の水遣りは蘭を傷めた訳ではありませんが,当地ではややもするとこのようになってしまい失敗します。日本春蘭の柄物の一番美しい姿をイメージできなかったのです。




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