寒蘭の花 2

前回の続き・・・。
無名品を2点。まずは土佐寒蘭。勝手に「大方の矮鶏」と呼んでいるもの。採取者は中村市に近い大方在住の老人であったがその後亡くなられた。採取から十数年余り,当初は手のひらに隠れるほど小さかった。採取者は中村から黒尊まで採取の経験を話されたベテラン,この蘭も採取地から考えて「夜宴」の再来を期待していた。残念。ただ、山蒔き交配種では無いので見るたびに自然の豊かさを感じる。写真は昨年の初花で4寸半の春蘭鉢で培養している。
大方の矮鶏 大方の矮鶏(2)

下段は薩摩寒蘭。色調に鳶が入るし,年により更紗様になる品。蘭友が買い出してきたもの。平成に入った頃,わざわざ鹿児島まで優勝した大泉を買いに行って、それを買わず横にあったこれを買ってきた。べた紅で大泉よりズウーッと良かったとのこと。巨大輪で花間があり,名人が手を入れれば肩の張りも消えて雛壇に上がれる展示会向きの蘭である。
薩摩無点
寒蘭は交配種の山蒔きが盛んであるがこれが自然破壊に繋がっていることは問題である。一見, 同じに見える寒蘭でも産地による固有遺伝子が存在するはずである。ゲンジボタルを例にすれば,環境省は平成11年度にこの遺伝子解析を行い全国的に固有種が多く存在することを確認した。それまでは光り方が違うことで名古屋あたりを境に東西の2系統があるのではと考えられてきたが,数系統存在している。このように一見,形態的に同じに見える蛍でも,全く違った情報を持っており,生物多様性の観点から非常に貴重なことが判明した。寒蘭も同様,紀州や日向のものをむやみに交配し土佐の山に蒔くなどということは,遺伝子攪乱による自然破壊であることを認識しているのだろうか。産地の会誌を見ていると山蒔きを奨励しているものまである。欲深い人たちが多数住んでいるようだ。産地では昭和に乱獲を行い,平成では山蒔きによる遺伝子攪乱まで,徹底して日本寒蘭の破壊を行っている。
スポンサーサイト

テーマ : 花と生活
ジャンル : 趣味・実用

寒蘭の花

室戸錦は今でも土佐を代表する蘭。葉色と葉姿,花と軸の色,花間や軸の抜け具合など総合力では今でも最上位クラスであろう。昔,小さいのを買って大事にしていたが一向に大きくならなかった。この品種は水と肥料をタップりやらないと上作しないと知ったのはかなり経ってから。葉先に針のような富貴蘭で言う鈴虫剣が出るので花が無くてもなんとか見分けがつく。色も木も堅いイメージがあるので写真のように放任開花はダメだ。
室戸錦
    土佐寒蘭 室戸錦

神鶴はあまり知られていないが、好きな蘭の一つ。土佐もの。大きく作ると抜けが悪い印象があるが、なんの、花型の似る雪峰と比べてもこちらは半立葉。豊雪・雪峰どちらも名花と日本寒蘭会の故中島会長の名言が残されているが,この花の印象はどうであろう。大輪の花を支える軸の細さが魅力的で,このように花に手をいっさい加えず咲かせても、見れる。葉姿ももちろん良い。
sinnkaku
 土佐寒蘭 神鶴

はじめます。

長く趣味で東洋蘭を栽培してつれづれ思うことをつづってみます。仕事が忙しくてなかなか更新はできないと思いますが、なんとか続けるつもり、春蘭が好きなので四季折々の話題が作れれば・・・。

天興梅

・・・で、いきなり話題も無いので。
 ご存知中国春蘭の天興梅。今春咲き出した時の一枚。

 我が家に来て35年ぐらいか。その頃は支那春蘭と言っていた。花弁はもっと丸くなるのだが良い写真が無い。先年、中国春蘭が久々にブームになって、「秦梅」とか「西湖梅」なども混じっているという。なんだかややこしい。今春、蘭友の一株に天興梅似と秦梅似の花が咲いたのを見たことがある。天興梅はこうなるんだそうな。両種とも栽培したことが無いので比較できないが、しかし、我が家のはあんなふうに咲いたことが無い。
 天興梅は花が無くても見分けが付くはずと黒崎氏に教示を受けたことがある。写真の木は著書にある中渡り鉢に植えられた株に鋏を入れて引き抜かれて嫁いで来た。確かにその葉は黄味を感じ、きめの細かい肌合い。他とは違う。しかも、葉薄く、すぐに黒点が出るほど日焼けし易い。バック木の根がフケると葉先が白抜けしながら黒斑がしみる。これらを注意すれば本来の力強い立ち上がりから徐々に分散する丸留めの美しい葉姿が楽しめる。立ち上がりの美しい葉元をバックに花の咲く位置を決めるのがよい。花弁に紅筋も入り、兜も隆起が荒々しく分巣し行儀良い舌と対比する。
 ここ数年で中国に多数の天興梅が流れたが,真品はどれぐらいだろうか。昔,北陸方面で天興梅の影武者のように作られていた秦梅や西湖梅がかなり混じっていてもおかしくない。それを元に最近、中国では蘭の本が多数発刊されているが,おのずと天興梅の真の姿は霧に包まれてしまうに違いない。

テーマ : 花と生活
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

ゴリョウ

Author:ゴリョウ
東洋蘭との日々の付き合いで感じたことを書いています。

メールはこちらまで

この中の画像をヤ0オクに転載することは固くお断りします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード