虎だし

 例年の真夏の行事。虎出しです。

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焼きだし

 昨年は家人が入院し、虎出しどころではありませんでした。秋になって青葉の新子を見て今後の夏の管理が心配になり、昨秋から今春にかけて棚にある虎物の数を半分ぐらい減らしました。今年は7月に気象台から梅雨明けの宣言が出たのですが、当地では、それ以降もぐずついた天候が続き、特に朝の光が取れずに困っています。虎の出具合も今ひとつ。虎は何年か青葉を続けますと、癖がついてしまってなかなか良い柄に戻らなくなることがあるので、毎年柄出しを続けなければなりません。特に守門山、麒麟山などはその傾向にあります。
 早朝の涼しい時間帯にかけ枠ごともやのかかった弱い光を直接当てます。あまり長時間当てていると熱で葉が焦げてきますし、鉢の温度が上がって根を痛めてしまいますので様子を見ながら行います。安積猛虎や越後富士のようなものは最初から寒冷紗1枚ぐらいの遮光で済むので鉢の出し入れはしません。
 縞と違い、虎は春の芽出しを遅くすることが良い柄を出す条件の1つですが、なかなか思うようにはいきません。今年も早ばやと凝ったような新子が出てきて柄の暗い鉢がいくつかあります。
 暦のうえでは明日が立秋ですが、昨日今日と昼前に蘭舎の気温が38度になりました。

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日影に取り込み
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盛夏


蘭舎の横のビワの木ではセミが朝から大合唱しています。二十四節季の大暑を過ぎ、一年でいちばん暑い日が続きます。人間はクーラーの部屋へ避難できますが、蘭には外でじっと耐えてもらうしかありません。肥料を切って水を絶やさず新子の伸びを助けます。朝の涼しいうちに棚の新芽の状態を観察します。

 新子が淡い黄緑ボヤで展開して黄色くはぜ、その中に細かい図が出る無名品です。昔、埼玉の愛蘭家から譲り受けたものですが、性質が弱くなかなか増えてくれません。黄ボヤに浮かぶ図模様が珍しく大切にしています。一度縞花を咲かせました。

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無名黄ボヤ

 六甲の新子はずんぐりとしてたけのこのような感じで出てきます。袴の中で葉が折れ重なっているのかもしれません。この品種は新子の伸びが遅く成木に時間がかかります。

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六甲

新潟県弥彦山産の無名覆輪です。新葉が整然と葉幅を引いて出てきます。

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台湾寒蘭の紺覆輪葉です。桃芽の綺麗な紺覆輪で出てきますが、やがて緑になります。花は紺覆輪の桃花で非常に綺麗です。

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梅雨明け

 当地の今年の梅雨は雨が長続きせず、梅雨らしい梅雨ではありませんでした。それでも曇り空が続いて新子が本葉を展開しがじめてきました。先週までは蘭舎の周りはセミの脱皮で賑やかなことでした。蘭舎の横のビワの木についているのです。最近はクマゼミの天下で、アブラゼミはいなくなり、ニイニイゼミもほとんど見かけなくなりました。夜に蘭舎に行くと土から出てきたセミの幼虫が動き回っています。朝は早くから大合唱です。

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蘭舎の入口で脱皮した抜け殻

 富貴蘭の花ももう終わりです。この蘭は何年か前にこの近くに蘭店ができたとの情報でのぞきに行ったとき買ったものです。その店は富貴蘭や山野草の珍品が主体で春蘭・寒蘭はほとんど置いてありませんでした。私は富貴蘭はわからないので、なけなしの4千円で買えたのは朝日殿という品種でした。この品種はこの近くで採取されたとのことでした。朝日殿は葉に棒縞が入る品種で、縞の出方で無地に近くなったり綺麗になったりします。

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朝日殿

 連日35度を超える暑さの中、潅水も3日に一度ぐらいになりますが、このペースだと6寸に植えた大株ものは水が過ぎてしまいます。棚には3寸から6寸鉢まであるのですが、小さい鉢に基準を合わせないと成績が落ちるので仕方ありません。この時期、新子は揃って出てきていますが、今年はなぜか大鉢の日本春蘭の日輪の大株に新子が見えません。心配なことです。

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山採り散り斑花

 我家の中国春蘭の万字は毎年この時期にバックの木が葉枯れしてきます。4年木になると一気に葉先から中央付近まで茶色く枯れこんでくるのです。ほかの品種ではそうならないので棚の中では目立ってしまいます。恐らく根がダメになっているのでしょう。それで根を傷めないように肥料を少なくしたり、殺菌剤で予防を試みたりしたこともありましたが、結局同じことでした。万字は作上がりするように作ってこそ良い花が咲きますので、このバックの葉枯れは諦めています。普段、花物は葉姿は大切だと言っているのに万字に関しては落第です。

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万字

翆玄香

 衣替えの季節になり、街中は明るい色の服装の人が多くなっています。
 今月に入り今年二回目の置肥を与えました。蘭舎は湿気が高く、この置肥をナメクジが好んで食べるので困っています。良い防除法が思い浮かばず早朝に鉢の上を観察し捕殺しています。富貴蘭のミズゴケの中が居心地が良いようで鉢を開けると必ず潜んでいます。
 日本春蘭の新芽は早い株位は葉が展開し始めていますが、遅い株はまだ上がってきません。また、期待している鉢に限って新芽が思いのほか小さいものが上がってきてがっくりとする季節です。中国春蘭系はまだまだ出てきません。いつものことですが万字のバックの葉がどんどん枯れこんでくるのも性質とはいえいい気はしません。湿度温度の高くなる季節、殺菌剤の散布もしなければと思うばかりです。 

 翆玄香は故黒崎陽人氏の命名。
 平成15年頃だったか時期は失念しましたが、東京の黒崎さんを訪ねた折、譲っていただいた素心です。市中にはあまり出回っておりません。
 氏の話では、素心の花弁が緑濃く、庭に植えてあった椿の葉よりも濃いとのことでした。性質がやや弱く、氏の棚で素1本まで弱らせてしまったところ、この蘭は絶えさせるには惜しいとのことで、懸命に立て直したとのことでした。世に素心は多いですが花弁の濃いものは少ないと思います。黒崎氏から持ち帰ってから3回ほど咲きました。今年の春に咲いた花の写真をおみせします。普段からやや遅咲きの品種で4月の声を聞かないと咲き出してきませんが、今年は春先の冷え込みでそれよりも1ヶ月も遅く5月半ばに咲きました。もう咲かずに蕾のまま枯れると思っていましたが、不思議なものでゆっくりと軸が伸びて暑くなった日差しの中、咲き出してきました。時期が外れたせいか、当然その花弁もやや緑が褪せ花軸も緑のノリが薄いようでした。


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翆玄香

素心

  早い株はもう上砂から新芽がのぞき始めています。蘭舎に吊ってある富貴蘭の根が動き出しました。春蘭も寒蘭も鉢の中では根が伸びだしていることでしょう。月初めに置いた置肥はまだ効いていないので今のところは水だけ飲んで働けと言っているようなもの。でも根の伸び始めにはそれでいいと思っています。
  置き肥の表面をナメクジが食べた跡がついています。ナメクジ対策を考えないといけませんが、蘭舎全体に動き回っているものを一網打尽にするための良い方法が浮かびません。ビールとかバナナの皮とか聞きますが、見つけたら捕まえるほかないかも。どなたか良い方法をお教えください。

 素心は好きで銘品・無名品と集めていますが、なかなか思ったような花が咲きません。

 翔鶴は命名前には七里で通っていた品種です。この蘭は黒崎さんから来たもので、付いていたラベルには七里の字が書かれていました。我が家に来てから十数年にもなりますが、全然増えず、我が家では作の難しい品種になっています。弱いことはないのですが根がうまく作れないのです。あけぼのボヤが出て素心の二芸品。葉のあけぼのが花に現れれば面白いのですが、花は長円弁の普通の素心。


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翔鶴

  無双小町はこうして写真に撮るよりも実物を見るほうがずっとよく見えます。蘭の中には写真写りの良いものとそうでないものとがありますが、無双小町は花を見たら作ってみたくなる品種です。花弁も緑色濃く青々素心と言えると思います。

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無双小町



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ゴリョウ

Author:ゴリョウ
東洋蘭との日々の付き合いで感じたことを書いています。

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